あなたのキャリアよりも大切なこと
教師であるあなたにとって、
キャリアを意識しながら日々を過ごすことはとても大事なことです。
キャリアは時の流れそのものですし、あなたの人生そのものだからです。
もちろん、キャリアは
特定の立場や役職に就くことを意味しているのではありません。
キャリアとは、あなたが生きる過程で、
何を経験し、その経験から何を学び、学んだことをどう社会に還元するか、
その一連のプロセスを指しています。
経験の数や深さ、
個別の経験を抽象化し、本質を引き出す思考過程、
価値提供につなげる手続きと行動力。
これが、あなたのキャリアになります。
しかし、あなたにとって、
キャリアよりも大切なものがあると言ったら、
それはいったい、何だと思いますか?
答えは、
何のために、そのキャリアを目指したのか?
この疑問に答えることが前提になる、ということです。
そのためには、あなたが生きている意味を知り、
あなたの使命が何であるかに気づくことが求められます。
では、なぜあなたが自身の使命について気づく必要があるのでしょうか?
キャリアは使命を超えられない
理由は2つ。
1.使命>キャリア
あなたの人生に意味を与えるのは、キャリアではなく、使命だからです。
あなたの使命があなたの人生に意味を与える。使命の自覚がすべてに優先します。
あなたが今に至るまで、ご自身が生を受けた理由について、少なくとも1度は考えたことがないでしょうか。
「なぜこんなことが気になって離れないのか」
「なぜいつも同じことを繰り返すのか」
「私が生きていることは、誰の役に立っているのか」
「なぜ生き生きと毎日を過ごせないのか」
「かつての情熱はなぜ奪われたのか」
私たちは生きる過程で、さまざまなライフイベントに遭遇します。
そして、ちょっとしたことがきっかけになって、先ほどのような疑問が頭をよぎるのです。
「私は何をしているのか?」
「私が本当にやりたいことは、何だったのか?」
この質問をご自身に投げかけて、はじめてキャリアについて真剣に考えることができるのです。
使命に応じたキャリアを追求する。
この視点は不可欠です。
2.キャリアはいつも選べるとは限らない
キャリアには、「選べるキャリア」と「選べないキャリア」があります。
「選べるキャリア」は、勤務以外の時間にあなたが主体的に取り組めることです。
あなたが好きなことで、できれば社会的に有益かつ将来性があって、
さらに可能な限り大きな影響力を行使できること。
「選べないキャリア」は、勤務環境です。
教師であれば、異動先、担任の有無、部活動顧問としての配属先、分掌希望、同僚や上司、生徒や保護者。
これらは選べません。校長とのヒアリングの時間は設けられていますが、形式的なものです。
学校環境は頑迷な学校風土や保守的なシステム以外は流動的であるため、一教師の意見がそのまま採用されることはありません。また、人間関係もその時々のパワーバランスが強く影響します。
つまり、教師は配属されたら「その環境を受け入れ、個人レベルでのベストを尽くす」しかないのです。
これが、学校文化の中で生きざるを得ない教師の限界であり、
同時にキャリア形成の動機やチャンスになるわけです。
あなたのやりたいことが、組織の目的とあっているかどうか。
あなたのやりたいことが、あなたの学校の目的に合っているか。
両者を合致させることは、不可能です。
唯一の方法は、あなた自身が理念を掲げ、その理念を遂行する学校を作ることです。
それ以外にはありません。
よって、次に考えるべきは
あなたの得意なことが、あなたの勤務先で活かせているかどうか。
この1点に尽きます。
これについては、「あなたの使命は何か?」という記事で触れたいと思います。