皆さんこんばんは角松利己です。
今回は、リクルート発行の雑誌「Career Guidance」432号(2020年5月)掲載の記事を読んだ感想を書きますね。
テーマは、
「学校に変化を求めている人たち」の考え方に触れ、学校の方向性を探る
というものです。
学校関係者でない方の未来志向の考えは、私たち教師が大いに参考にすべき点だと思うので、どうかご覧ください。
まず、お1人目の方のコメントを抜粋します。
子どもの自信を奪ってしまう仕組み
10年ほど前、当時小学生だった娘のクラスが学級崩壊。連鎖的ないじめはなくならず、次々にターゲットが変わる状態になりました。
原因は、「みんな自分に自信が持てないから」だと感じました。「学校には子どもの自信を奪ってしまう仕組みがあるんじゃないか」と考えるようになりました。
その後、ロケット教室や修学旅行生の受け入れ、中高生向けの講演を開催して教育に携わる機会がありましたが、講演の際、先生方から「子どもたちに夢を与えてください」と言われました。
でも、「夢は与えられるものではない」と思っています。
私の夢は「学校を作ること」。
年齢にかかわらず、主体的に「学びたい」と思ったときに学べる学校を作りたいと思います。
(株)植松電機代表取締役社長 植松努さん
志とスキルがあれば、教育は可能。
どうでもいいことかもしれませんが、なぜ教師は、「夢を持たせてください」などと言うのでしょうか? 学校に呼ばれて講演をするような人は、基本的に「夢に溢れている人たち」というのが私の認識です。社交辞令であったとしても、あまり気の利いた言葉とは言えません。
もちろん、夢を持たせるのは誰でも構わないと思います。ただ、人に依頼する以前に、なぜ「教師自身が」普段の生活で生徒に夢を語らないんでしょうか? それは、学校という場がすでに夢を語るような場として機能していないことを意味しているのではありませんか?
植松さんに限りませんが、現在の学校が「生徒に夢を与え、成長させる場」として機能していなければ、志と技術のある民間人が学校を作るという可能性は、十分にあることと思います。
「学校だけには任せておけない。」
こんなふうに、多くの人たちが自分なりに不全感や危機感を覚え、「自分にできること」から始めていこうという姿勢を打ち出しています。きわめて健全な発想であり、自然な流れであると言えます。
年齢にかかわらず、主体的に「学びたい」と思ったときに学べる学校は、未来のニーズに適っているものと言えます。
定年が引き上げられ、「100年人生」を送る若い年代は、生涯学び続けることが求められます。それは時代のニーズであると同時に、個人が豊かに生き抜くための必然性でもあるわけです。
終身雇用制は崩壊します。外国人労働者の流入は避けられません。価値観の多様化がさらに拍車をかけます。
これからの社会の動向があなたに伝えるメッセージとは、
あなたは人生を自由に生きなさい。
きわめて長い就業期間を生き抜くために、常にステージを変えていきなさい。
あなたが「学びたい」と思ったときは、あらゆる機会を捉えなさい。環境は用意します。
ということでしょう。
しかし、現状として学校教育が用意しているのは、直接の「出口」のみです。
よって、教師が知るべきは、
・未来の動向。
・本質的な意味での社会や価値観の多様性。
・「100年人生」を生き抜くためのキャリア視点。
・知識や思考だけではなく、生き方。
であり、教師に必要なことは、
・変化をいとわない姿勢。
・「教える立場」からの脱却。生徒の「同伴者」としての視点。
・生徒にあらゆる可能性を示すこと。
・生徒と関わっている期間は、生徒に刺激を与え続け、完全燃焼させること。
です。そのためには、
まず、あなた自身が変わる。
具体的には、教師を「捨てる」ことです。