64 教師が「3人の顧客」と信頼関係を結ぶために必要な、2つの方法

ビジネスの知見

皆さんこんばんは角松利己です!

今回は、

「教師であるあなたにとって、信頼関係を構築する対象が3つあること」
「信頼構築の方法は2つあって、どちらも大切であること」

というテーマで記事を書きます。

情報起業家の中村純さんは、自身のメルマガで「情報発信で信頼関係を構築するコツ」について話しています。(「 “集客を変える!”1日5分のながら聞き」は、こちら。)

これは、「ビジネス上の集客にメルマガを使う場合、どんな点を意識しながら行うのか?」という観点での話です。

私は

・ブログで情報発信をしている。
・リタイア後は情報発信ビジネスを考えている。
・ビジネスに信頼関係づくりは必須。

以上の理由から、このテーマはスルーできないと思いました。

中村さんの提案する「コツ」は、2点です。

・自分の価値観を明確に伝える。
・ターゲットのニーズをリサーチする。

では、教師であるあなたがこの2点を援用したら、どうなるでしょうか?
援用する対象を3つ設定して考えてみましょう。

生徒と信頼関係を構築する

あなたが信頼関係を構築すべき対象の第一は、生徒です。そしてあなたが生徒と信頼関係を築きたいなら、あなた自身の価値観を彼らに対して明確に伝えることが求められます。

教員になりたての頃の私にとって、自身の「価値観」と言えば、「生徒は教師の言うことを聞くものだ」でした。我ながら、ちょっと悲しくなりますね。

でも、「私の言うことをちゃんと聞いていれば、生徒は立派に成長できる」と不遜にも思っていたのは、事実です。今から30年近く前は、学校現場も地域社会も、そんな一教師の信念を後押ししてくれていました。

もちろん、現在はそのような状況ではありません。しかし、そんな社会の動向以上に、「教師の生徒に対する一方的な価値観の伝達」には、教育効果上、ほとんど効力を持たないことが、実感としてわかっています。

大事なのは、「信頼関係」です。これができていれば、教師も生徒も双方が成長できるし、ほとんどの難局も乗り越えられます。

私は、自身の授業では「普遍的な原則」をもとにしながら教室で起こる事例を説明しています。私たち教師が自身の価値観(そのほぼすべてが個人的な体験談だったり、大人にとって都合のいい考えだったりします)を生徒に語っても、生徒の心に響くことはありません。だから、私たち伝える価値観は、「普遍的な原則」であることが望ましいわけです。

次に「ターゲットのニーズをリサーチする」ですが、ここで「ターゲット」とは、もちろん「生徒」ですよね。

私がリサーチするのは、ターゲットである生徒の「潜在的ニーズです。

彼らの学校生活を充実させるために私が考慮している点は、

・友人関係がうまくいっているか?
・家族関係がうまくいっているか?

基本的には、この2点であり、これらが生徒にとっての「潜在的ニーズ」だと考えています。

友人関係は、生徒の学校生活を左右する、重要なファクターです。たとえば友人関係がうまくいかなくなることは、一部の生徒にとっては、学校生活の継続にかかわる重要な問題となります。

家族関係についても、同様のことが言えます。生活習慣の確立や家庭学習の習慣づけ、躾けと虐待の境界、さらに高校では進路実現に関する「生殺与奪」の力を握っているのは、家庭です。

よって、この2点を考慮する必要があるのです。

多くの生徒にとって、学校での勉強は二の次です。学校生活を充実させるためには、家庭と友人関係が「そこそこ」でいいから、うまくいっていることが求められます。だから、教師はここをサポートする。個々の生徒にとっての「懸案事項」を頭に入れながら、そのことを最優先に考えながら、接するわけです。

授業中は集団を相手にするため、「一般論」として話すことが多くなり、結果的に個々の問題が適度にオブラートに包まれた状態で生徒のもとに届きます。私の話を聞いて教室が静かになれば、とりあえず「価値が届いた」と考え、授業に入ります。

同僚と信頼関係を構築する

さて、生徒の次に、あなたが信頼関係を構築すべき対象は同僚です。
そこで、あなたと同僚との関係性において、「情報発信」と「ニーズのリサーチ」を考えみましょう。

私は教師の仕事を、「最小限のコストで最大の教育効果をあげること」と考えています。
学校は、「不断の微調整」が実現すれば、うまくいく。

根拠は他の記事に譲りますが、はっきりとそう感じます。

ならば、「情報発信」とは「不断の微調整」を実現するためのものになるはずです。

「学校における教育効果」とは、2つ。

一つは生徒に対して行う働きかけ、
もう一つは教師を含めた職場環境全体に対する働きかけを指します。
(三つ目として「保護者に対する働きかけ」を加えたいんですが、ここでは割愛します)。

「こうすれば、生徒はちょっと良くなる。」
「こうすれば、教師もちょっとラクになる。」

そんなミニプランを「発信」することが、学校現場を楽しく、豊かなものに変えてくれます。
(生徒に対する働きかけの一例は、こちら。さらにこちら。)

私の懸念は、2つ目の対象、つまり「教師を含めた職場環境全体」に対する働きかけが、非常におざなりにされている現状です。

これは、「学校が利益を追求しない場であること」に加えて、「学校が『努力』や『苦労』の美徳に酔いしれていること」によるものです。

各学校にとっては「利益」と位置づける事柄が存在しますが、さまざまです。よって、「その学校にとっての利益とは何なのか」について、きちんと議論する必要があるでしょう。

問題は、2点目です。

教師は生徒に「努力や苦労」のプロセスを求めますが、同時に、自身の仕事に関しても同じものを求めてしまっています。

あなたの職場にもいませんか? いつも忙しそうに動き回っている同僚が。彼らは「忙しい、忙しい」が口癖になっていますが、よく見ると笑顔なんですね。そして、自身の「忙しさ」をことあるごとに説いて回ります(笑)。

あるいは、何か突発的なトラブルに遭遇すると、俄然、生き生きとし始める同僚もいます。普段は見せないような動きです(笑)。声も動きも大きくなり、情報収集と意見交換、指示を繰り返します。

彼らは、忙しい状況やトラブルに見舞われた状況が「好き」なので、そういった状況を事前に回避するための方策については、基本的に考えようとはしません。長期的には「事前回避のシステムづくり」こそが「学校の利益」になるんですが、そもそも学校は「利益を追求しない場」なんですよね(嘆)。だから、こういったことが永久に続くんです。

だから私たち教師は、

・教師を含めた職場全体の環境について
・不断に微調整を加える必要性を感じながら
・常に情報発信をする必要があります。

あなたの考えを「発信」することが、最優先です。そして「発信」した後に、「同僚のニーズのリサーチ」をする。この順序です。

「このプランを実現するために、どうすればいいと思う?」と、最初に同僚に聞かないでください。プランありきで「発信」することが大切です。

もし順序を逆にした場合、つまり「同僚のニーズのリサーチ」を先にした場合、あなたは「自身の価値観にないプランを実現させるために労力を奪われる」ことになります。それは、嫌じゃないですか?

未来の顧客と信頼関係を構築する

あなたが信頼関係を構築すべき対象。最後に扱うその対象とは、他でもない、あなた自身です。
具体的には、「あなたが自身のセカンドキャリアについて深く考えること」です。

先に話したように、私は「情報発信をすることで未来の顧客と信頼関係を構築したい」と考えています。

そして、信頼関係を構築するための方法は、次の2点でしたね。

・自身の価値観を明確に伝える。
・顧客のニーズをリサーチする。

1点目については、このブログの各記事ではっきりと伝えられていると思うので、ここでは論じません。

課題は2点目です。

ここに至るまで、私は「教師のニーズ」について、いろいろと調べたり考えたりしてきました。この記事の読者であるあなたが教師であれば、あなたにお聞きするのが一番手っ取り早いんですが(笑)、ネット上では、次のような傾向がありました。

・授業or生徒指導or進路指導スキルに関するもの(これが一番多い)
・教育制度に関するもの(いわゆる「教育論」。これも多い)
・教師の悩み系(生徒、同僚、上司、保護者などとのかかわり方)

私は思いました。

「私のブログは、センセイ方のニーズには、ないな。」

教師が高い教育効果を追求し、常に「最高のスキル」を追い求めるのは、十分理解できます。かつての私もそうでした。しかし、そのスキルには汎用性がありません。生徒が変われば、勤務先が変われば、社会情勢が変化すれば、必ず廃れていくものです。

次に、教育制度のあり方への賛否を論じる「教育論」です。結論を言えば、教師の数だけ、人の数だけ「教育論」は存在します。教師同士の教育論は、「神々の闘い」です。つまり、決着がつかない。みんな「自分が正しい」と思っているわけです。私自身、そういう面がありますから(笑)。

私がこんなふうに記事に書くのは、どんな仕事であっても「自身の価値観の相対化」を常に求められていると感じるからです。だから、自分の考えを伝えることと同時に、自分以外の誰かのニーズをのリサーチすることは不可欠です。

多くの教師のニーズの最後は、「お悩み系」です。ただ、こちらも私に言わせれば「スキル」に過ぎません。「私の職場では、こんな感じです。皆さんはどうしていますか?」基本的に、こういった感じです。

私が疑問に思うのは、

・あなたの抱える課題についてのあなた自身のプランは何か?
・なぜ、あなたの意見を生徒、同僚、上司、保護者に伝えないのか?

です。

「直接利害関係のある人たちに言えないから、こうして相談しているんでしょ」

こんな声が聞こえてきそうですね。でも、「外の誰か」に相談して、あなたが「これは!」と思うような対処法を手に入れたとしても、あなたはきっとそれを実行しないでしょう。「なるほど」と思って、終わるはずです。仮にあなたが「外の誰か」の提案を勤務校で伝えようとしても、もともとあなたが考えたプランではないため、うまく説得できずに終わるはずです。

あなた自身の悩みを、あなたの知らない「誰か」に相談している暇なんて、ないんです。

あなたが情報を集め、それなりに論理構成をして、信頼できる利害関係者に伝えてみる。これが、最初の一歩です。手ごたえがあれば、賛同者を募る。手ごたえがなければ、情報が不足しているか、論理が整っていないか、「信頼できる」と思っていた人が実は信頼するに足らなかった、のいずれかでしょう。

「自分が未熟だった」と思って、学び続ければいいだけの話です。そして、そういったあなたの姿勢が習慣化されることで、周囲にあなたの影響力が放たれるようになる。この繰り返しです。

ただ、私ならそもそも、この手の「スキル」には、コストをかけません。

・本質を見極めようとし、
・ゴールを設定し、
・プロセスを思い描き、
・自分の裁量でいけそうなポイントに働きかける。
・コストがかかりそうなら、あきらめる。

あきらめちゃいます(笑)。学校には「利益追求」の考え方がないので。教師が「利益追求」を最優先すれば、ほとんどの改善案はすんなり通ってしまうはずなんですが、その改善案が通らないのが学校組織です。不思議ですね。だから、あきらめます。そこに多大なコストをかけても、実現しないのであれば取り組むことはありません。私の努力が効果的に現れる領域で勝負します。

顕在的ニーズではなく、潜在的ニーズを

というわけで、私にとって「未来の顧客と信頼関係を構築する」方法は、当面はこのブログ記事を通して、私の価値観を読者に対して明確に伝えていくことになります。

今回、記事を書いていてわかったことは、先にも書いた通り、「私のブログにはニーズがない」ということでした(笑)。ですが、それが再認識できただけでも、記事を書いた価値はあると思います。

そして、これが私の強みでもあります。
私が伝えたい内容は、潜在的にはとても大きな価値を持っています

このまま私たち教師が従来の学校が持つ価値観の中で生き続けようとすれば、自身の存在意義に対して必ず「疑問符=?」がつくでしょう。

・学校は、未来社会の動向に適応しているか?
・私たちは、生徒の本質的な成長に寄与しているか?
・私たちは、誰かや何かを犠牲にしていないか?
・私たちは、不必要なコストを払っていないか?
・教師は、仕事に、私生活に納得しているか?
・あなたは、リタイア後の人生をどうするのか?

・あなたの生まれた意味は、何か?

こういったことについて、理想と現実のバランスを取りながら思考と実践を繰り返す。

あなたには、そんな教師になってもらいたい。

これが、私の願いです。だから、「このブログ、ニーズないじゃーん」と言われても、ほぼ、無傷です。ほぼ(笑)。そもそも、書いていて楽しいから続けられています。

さあ、これからはあなたの番です。

あなたが生徒と信頼関係を築きたいなら、
あなたが同僚と信頼関係を築きたいなら、
あなたが未来の顧客と信頼関係を築きたいなら、

あなたの価値観を明確に伝え、あなたが大切に思う人たちのニーズをリサーチする。

その両方が必要です。できるところから始めてください。

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